なぜ、わたしが卒園式で祝辞を述べたのか

先日、ひょんなことから、
私が卒園した幼稚園の卒園式で卒園生として祝辞をのべさせていただきました。


5歳児と保護者の両者に同時に話すということで、
何を話すかいろいろ悩みましたが、
結局、大学院で研究テーマにしていた「協調学習」について
『5歳児でもわかる協調学習!』『保護者に伝えたい協調学習!』
というコンセプトでいきました。

学術的な「協調学習」ご専門の方に読まれると訝しがられるかもしれませんが、
伝えたいことを、素直に、お祝いの言葉としてお伝えしました。
せっかくなので、ここに記録しておきます。


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祝辞

卒園生のみなさん、ご卒園おめでとうございます。
保護者の皆さまにおかれましても、心よりお祝い申し上げます。

本日は、二十年前に幼稚園を卒園した卒園生として、
卒園生のみなさんにひとつだけ、覚えておいてほしいことを伝えたいと思います。
みなさんは、幼稚園でお友達と一緒にたくさん遊んだことと思います。
4月からみなさんが通う小学校では、遊び以外にたくさんお勉強をします。
小学校でのお勉強は、一人きりでするものではありません。
お友達と、先生と、そしてお父さん、お母さんと、
一緒に、わからないことをわかるようにしていくことがお勉強です。
一人で困った時に、わからないことをわからないね、と一緒に考えてくれたり、
こうすればわかるよ、と教えてくれる、仲間がいるということを忘れないでください。
お友達や先生、お父さんお母さんと一緒に遊んだり、
お勉強したりすることのなかに、たくさん楽しいことがあります。
小学校でも、ドキドキ、ワクワクするようなお勉強と遊びを、
たくさんのお友達と一緒にしてください。応援しています。


保護者のみなさま
私は二日後に、大学院の修了式を控えております。
大学院では、大学教育に関する研究に取り組んでおりました。
私は、大学という学びの場が幼稚園という場と似ていると思うことがあります。
幼稚園では、子どもの主体性を引き出す環境を整えます。
大学も、学生たちが学ぶ環境を提供し、そこでいかに学ぶかということは、学生本人に任されています。
私は、大学院で、たくさんの仲間に出会い、学び合う経験ができたことが、
これからの私を支えてくれるだろうと思っています。
研究で辛い時、支えてくれたのは、大学の仲間たちと、そして家族でした。
自分の学びたいことに専念し、充実した学生生活を送ることができたのは、
家族の支えがあったからこそだと思っております。
どうぞ、ご家族のみなさまもお子様と共に、学び合う関係を築いていただけたら、
きっとお子様も心強くお思いになると思います。

最後になりましたが、
幼稚園の益々のご発展と皆様のご健勝をお祈りいたしまして、私のお祝いの挨拶とさせて頂きます。

平成二十三年三月 二十二日
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さて、
昨日24日は、私自身の、大学院の修了式でした。
バーチャルという面白い形で、思い出に残る式になりました。

卒園式の祝辞で述べた、自分の言葉を思い起こしながら、
先生と、仲間たちと、家族と、たくさん写真をとりました。
感謝の気持ちを伝えようとしましたが、
とても感謝の二文字にはしまいきれない想いでいっぱいで。


ありがとうの言葉だけではないものをこれからお返ししていきたいと思います。
学位を頂いたものとして、社会に出てから、この2年間に得たことを発揮しまくるしか無い!
という所存でございます。


幼稚園で祝辞の機会をいただいたことは偶然のめぐり合わせではありますが、
これを機会に自分自身の修士課程修了をしっかりリフレクションしろ、
という「神様リフレクション」のお声がかかったのだと思います。
偶然の巡り合わせによって、深いリフレクションに導かれることって、ありますよね。

平成16年生まれの子どもたちも、4月から新しい一歩を踏み出そうとしているのだから。まけてられないでしょ!
彼らと一緒の、社会人『一年生』、がんばります。